オタクのあそぶんがく

140の枠を超えて

「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」かんそうぶん

※ネタバレ入ります、観る予定があってまだ観ていない方はブラウザバック必須です!!

※筆者は原作を読んでいません。

 

 

久々にボロ泣きしました。それはそれは綺麗な涙だったそうな……

 

 

どこから話そうね。

主軸としては、牧之原翔子さんの話。心臓病に罹り、生きたいと願う翔子さんと、未来を求めたくないと思う翔子さんが交錯する…こんな感じかな?医療倫理を授業で学んでいる私にタイムリーに刺さるような話であった。

時間軸を跨ぎ、『二つの心臓』が存在し、そして『二人の同一人物』が同一時間に存在する…青ブタらしい、一瞬たりとも思考を途切れさせることが出来ない作品であった。普段は頭を使わない作品を好むが、こうやって頭をフル回転させながら観る作品も大変趣きがある。

 

では、ストーリー関連に移る。

大人の翔子さんが、子どもの翔子さんの願いによって生み出された存在であることは推測出来たが、実際は『未来から来た』翔子さんであったという斜め上の展開。いつも私の思考の斜め上を行くのがこの作品である。好き。そんな未来から来た存在が現在軸の咲太に触れ、12月24日の夜の結末を選択させる。すべての生命を救うことは難しい、なら咲太はどんな未来を選ぶか…。後で少し触れるが、『生命の意味』を考えさせられる作品でもある。

考え抜いた咲太が迎えた未来、それは『麻衣さんが死ぬ未来』であった。意味わからないよね、メインヒロインがあっさり死ぬのよ?そう、あっさりと。人の死の呆気なさや儚さを痛感せざるを得ない。劇場で口ぽかーんですよもう。淡々と進む時計の針と、咲太たちを取り巻く雰囲気の不気味さが、状況の冷酷さと深刻さを物語っていた。このシーンが原因で、夜しばらくの間眠りに就けなかった。麻衣さんを喪った咲太が自らの決心を確固たるものにするため、時間を巻き戻して運命を自身の手で塗り替える。はねられた未来の咲太が消えるシーンは、アニメ8話の双葉理央さんを想起させる。

麻衣さんの死を回避した咲太、しかし麻衣さんの心臓を移されていた翔子さんの未来も塗り替えられることに。

自分を立ち直らせてくれた未来の翔子さん、麻衣さんをはじめとする今までの想い出全て。こうした選択の葛藤の中で、物語は結末を迎える。

 

まあストーリーの振り返りはこんな具合だろうか。大きな物語軸も魅力的であったが、この映画は全キャラクターを大事にしたものだなあと思う。

主となる翔子さんは、病と闘いながらも迎えたい未来を描き、同時に未来を拒もうとする。自分は迎えることが難しいと思われる未来、そんな大きな問題が幼い彼女に重くのしかかる。もう水瀬いのりさんの演技が凄かった。強かった。巧みに演じ分けていた。ICU内での翔子さんの、「私、夢を見ていました」の辺りがこの映画の最大泣きポイントであった。ボロボロ泣いた。夢じゃないんだってもう………  将来の設計図関連も、涙腺に大きく響いた。終始翔子さんに泣かされてますね。

麻衣さんも麻衣さんで正ヒロイン感が凄まじかった。熱海駅でのシーンが麻衣さんの魅力の極致であっただろう。こりゃ惚れてもおかしくないですな。麻衣さんが死ぬ運命を免れ、生きている姿を見せたシーンは、私の涙腺にも突き刺さった。どうか幸せに人生を生き抜いて欲しい。

そして何より双葉理央さん!!!もうマジで双葉理央さん!!!踏切のシーンで咲太に「私は嫌だ」って伝えたところ、彼女が自分の気持ちに素直になれたからこそ出てきたものであるだろう。咲太の、そして麻衣さんの死を回避した咲太を泣きながら迎えるシーンも可愛すぎて全私が泣いた。エモすぎる。双葉理央さんエモすぎる。巨乳じゃなかったらもっと狂うほど推していただろう。そうじゃなくても狂うほど推している。私もこんな関係性を築ける異性の友達が欲しかったですはい。お前は異性の友達自体が…とか言ってる奴は後で出頭しような?

勿論、朋絵は未来から来た咲太を見つける素晴らしすぎる活躍を見せてくれた(方言ぎゃわいいいい)し、のどかは咲太と麻衣さんを綺麗に繋いでくれたし、花楓ちゃんはちゃんと学校に行ってくれた(久保さんの声好きすぎる)し……なんだよこれ最高か?やっぱ鴨志田先生すごいや…

 

この映画の大きなテーマは、『未来/生命の選択』『生きる意味』ではないかと私は思った。自分は誰と寄り添い、どう生きるか。簡単に言ってしまえば、こんな感じの重い話が咲太を襲ったように見える。自らの過去を大きく変えた少女の現在を救うか、それとも運命を背負うと誓った少女との未来を選ぶか。この作品を観た視聴者(自分)は、何を願って生きるか。

 

 

生きていく中で選択を迫られる私たちは、巻き戻すことが出来ない時の中で何を採るだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ私は美柑って胸張って言えますけどね(ドヤ顔)(唐突な惚気)(雰囲気台無し)