仙台市営バスにハマって約1年。
アルバイト時の交通手段としか感じていなかったその乗り物は、今では私の心を掴んで離さないものへと変貌した。
きっかけは私の好奇心から。「南吉成」や「井土浜」といったバスの行き先を示す電光掲示板に書かれた文字とその地理的位置が気になった。
ネットで調べてみよう。へえ、思ったよりバスの系統って多いのね。すごい、コイツはこんな場所まで連れていってくれるんだ…
熱狂的になりやすい学s…女子小学生である私は、調べていくうちにどんどんバスの虜になっていったのである。次第に終点まで乗ってみたい気持ちが募ってきた。しかし終点まで乗るとさすがに運賃が高い、そして行きたい場所は1箇所に留まらない…
ならばと購入したのが
『学都仙台フリーパス』
1ヶ月の間、市バスが乗り放題になる学生限定の魔法の権利である。最強無敵となった私は、フリーパスを片手に何箇所かへの散策に出かけた。
1. 定義
845系統ちゃん(大倉ふるさとセンター経由)に揺られ辿り着いたのは、仙台市北西部に位置する定義如来。
このバスは途中大倉ダムを経由するのだが、なんとダムのほっっっっっそい壁の上(バス1台がギリギリ通れる幅)を通るのである。高所恐怖症の私は目を開けることができなかった。情けない…
定義で非常に美味しいと評判の油揚げをいただき、何枚か写真を撮って散策を終了。また来たいと強く思った。
2. 作並
滝の写真を撮り終わり、帰りのバスを待っていると下半身に水のお便りが。
人は生理的な反応には逆らえない。帰りのバスまで40分。近くにあるのは仮設トイレのみ。仮設に行くしかないのか〜と思いながら腕時計をチラリ。おや?840系統ちゃん(作並温泉行き)が数分後に来るぞ?これなら…
という流れで、『バスに乗って作並駅へ行ってそこのトイレをお借りする』という荒技を披露。通常200円かかる移動費はフリーパスの魔法の中に消えて行った。
何やってんの…
3. 八木山
特に用もなく、ただ気の向くままに601系統ちゃん(愛宕大橋経由)に乗り八木山動物公園駅へ。なんと、大学病院から八木山までバスが出ているのである。あの辺から終点まで乗るなら、大人しく地下鉄使った方が楽だよ。
行きと帰りのバスで同じ運転手さんに遭遇してなんか気まずくなった。どーでもいいね。
八木山には2回行った。2度目は701系統ちゃん(霊屋橋経由)に乗って八木山へ向かい、動物公園駅から10系統ちゃん(青葉台行き)に乗り換えて青葉山キャンパス・宮教大へ。
帰りは熊に怯えながら青葉台の方まで散歩(バス待ちの時間そわそわして待てなかった)。ただこの辺バス停の感覚が遠いため、終点までは行けず荒巻青葉(周りに何もない)で引き返すことに。
八木山動物公園駅の屋上の駐車場にある広場からは仙台市を一望できる。山の上ってすげー。長町のビル群や太平洋が見え、テンションが跳ね上がった。ただこれ以上手すりには近づけなかった…
4. 台原森林公園
北四番丁→東照宮→旭ヶ丘駅(公園入口)という奇妙な乗り継ぎを経て台原森林公園へ。
しっかし南北線東側の住宅街の道路は、バスが通るには結構狭い。行き違いで苦労するため、時刻表の時間からガンガン遅延が発生していく。挙句2回も工事現場に遭遇、運転手さんガンバッテ… この辺で時間調整のために道路で停車するのは避けなければならないだろうから、仕方のない話である。
さてこの森林公園というか丘、緑が多くすっっっっごい綺麗。んで超デカい。美しい景色に思わずパチリ。自然に囲まれ気分リフレッシュ、この日はよく晴れていたので体力が4分の3も回復した。帰りは台原駅から東西線方面へバス乗り換え。このムーブするなら地下鉄の方が便利です…
5. 井土浜
仙台駅から500系統(中野行き)ちゃんに乗り、若林・上飯田・六郷を経て仙台市南東部へ。東高校を過ぎた辺りから周囲の建物が減っていく。
前方の車窓から建物が見えなくなる。横一直線に伸びる影。近付く目的のバス停。
降車。帰りの便の出発まで10分ちょい。海に向かって ♪走れ…Over Drive
うみーー!!
とってもきれいだなあ!!!!!!!!!!!!!!!!
往復2時間かけて防波堤と工事現場を見に行きました。はい。
バスに乗って仙台市を回った1ヶ月間。
バスから見える風景、車内アナウンス、初めて降り立つ地の風の感触。バスでの散策はこの夏の思い出として心に刻まれた。フリーパス購入は有意義なものであったと確信している。良い子は乱用しすぎないでね!!
とはいえ未到達区域はまだ残っている。コラそこ、ほとんど住宅街or辺境の地だから記事にならないだろとか言うんじゃないよ。
まだ見ぬ地がきっと僕を待っている(自意識過剰)。
オタクのバス散策の夢は終わらない。